ひとくち

POS分析、売れ筋は店の外にある? 人間系とIT系のバランスとは

2010-10-10

私はIT経営コンサルタントですが、「ITを過信しすぎても危険」という話をします。
小売業は、私のとって主要な業種ですので、日々の食料品等の買い物は商品動向を見るためにも私が担当しています。妻から買い物リストが携帯メールに送られてきますので、リストを見た上で、どの店舗に行くべきか判断し、商品チェックをしながら購入します。思った品質の商品が無い場合には他店舗に寄ることもあります。毎日のように買い物をしていると、各商品の相場がほぼ頭に入っていますので、最近の葉物(ほうれん草や小松菜、水菜等)やトマトが異常に高く、ずっとその値段が継続していることなど、肌で感じています。

 さて、本題に入ります。最近、スーパーチェーンごとの戦略の違いが商品の品揃えに明確に反映されていると感じていますが、「IT」に比重を置いている企業の品揃えが必ずしも良くないのでは無いか?と思われます。
現在の品揃えを見ていると、大きく4種類に分類されています。
1つ目はいわゆるナショナルチェーン、プライベートブランドの商品がメインになってきており、徹底的に商品アイテムを絞っています。正直、商品を絞りすぎで品揃えもおもしろみはありません。商品効率は良いと思いますが、店内を見る限り集客力も弱いと思われます。
2つ目は、ITをかなり活用している地元チェーンです。店内は、大手チェーンと同様にすっきりとしています。買い物リストにある商品はほぼ揃っており、陳列している商品数もPOS分析の結果から必要数が陳列されていると思われます。しかし、いつ行っても同じ品揃えですので、やはりおもしろみに欠けます。
3つ目は、徹底的に品揃えを豊富にしているスーパーです。価格は少々高めですが、商品アイテムをよくこれだけ集めていると感心するくらい品揃えは豊富です。ただ、1つ1つの商品の陳列数は明らかに多すぎると思われますので、高級和牛のステーキ肉など、3割、5割引になっている商品も目立ちます。明らかに「IT」の利用度は低いと思いますが、店内は顧客でいっぱいです。駐車場も、以前に比べてほぼ満杯状態、顧客が支持していることがわかります。
 
 IT経営コンサルタントの私としては、ITの活用度の高い店舗が必ずしも顧客の指示を得ていないということを真摯に受け止めねばなりません。昔から、小売業界では「売れ筋は店の外にある」という言葉があり、そのために頻繁に競合店をストアコンパリゾン(店舗比較)して、品揃えのチェックを行い、他社で売れ筋の商品で自社の品揃えに無い商品をチェックすることが求められてきました。しかし、POS情報の活用が進むにつれて、自社のPOS情報分析に力点が置かれ、基本からはずれだしているのでは無いかと心配しています。
「IT」は、単なるツールであって、「IT」のみで意志決定してはいけません。あくまで、人間の持つ「目」と「耳」と「舌」などの五感と、そして「IT」をバランスよく活用し、総合的に判断する力が求められます。バイヤーが、本部に閉じこもり、ベンダーが持ってくる商品のみ陳列していたら、店舗は死んでいくでしょう。
「IT」と人間力のバランス、コンピュータに依存しすぎても危険であるということを日々、気をつけていかねばならないと自戒します。

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