ひとくち

中小企業のためのクラウド、SaaSとは?

2010-09-29

最近、私の周りでは、クラウド、SaaSの言葉が飛び交っています。昨年まで「J-SaaS」の事業推進していた経済産業省も、来年はクラウド一色のようです。マイクロソフトも中小企業向けにクラウド事業を模索していると聞いております。確かに、クラウド、SaaSともに発展期にきていることは確かであり、将来的には情報システムはほとんどインターネット上で稼働することになるであろうと予測します。

しかし、昨年まで経済産業省が推進していた「J-SaaS」も、お世辞にも成功とはいいにくい状況です。結局、ソフトウェアの寄せ集めにすぎず、個々のソフトウェアが石塔のように林立するだけで、全体最適化された企業システムを構築できるようなサービスは提供されておりませんでした。経済産業省で発表しております4段階ある「IT化ステージ」は、企業のIT化レベルを評価する良い尺度であると思いますが、このステージで求めている姿は、まず、企業内の全体最適化、そして、企業間での全体最適化であったはずです。しかし、今、SaaS、クラウドと称して提供されているサービスは、「全体最適化」にはほど遠い、というよりも、全く全体最適化など考えてもいないサービスでは無いかと疑いたくなります。

本当に、このようなサービスを中小企業に提供して良いのか、疑問を持ちます。自社で、マルチベンダーの管理ができる能力をお持ちの企業であれば、今の時点でもクラウド、SaaSの導入は有効であると思いますが、ほとんどの中小企業には、異なるメーカーのソフトウェアを全体最適化された状態で連携することは「不可能」と考えた方がよろしいかと思います。まずは、ソフトウェア間をスムーズに連携する標準化が、経済産業省として推進すべきことでは無いでしょうか。

当初、日本政府が「e-JAPAN戦略」と宣言した頃には、企業間の情報連携としてEDIの文字が躍っておりましたが、最近、あまり聞いておりません。10年近く経過して、大企業間での情報連携はかなり進んでおりますが、裾野の中小企業になりますと、ほとんど進んでいないのでは無いかと思います。結局、大企業が自社用のEDIシステムを構築しておりますので、複数の大企業と取引する中小企業にとっては、個々のEDIシステムに対して対応せざるを得ず、とてもそのようなIT投資はできませんので、EDIシステムの外に追いやられているというのが実情では無いでしょうか。台湾の大手半導体メーカー4社が、企業間情報連携に関する標準化作業を進めていると聞いております。このようなことがどうして日本ではできないのか、また、標準化を後回しにして、まず導入することを優先してしまう状況は、大変残念でならないと感じています。

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